子育て支援の拠点完成、4月から認定こども園に〜上中島こども園開所、すくすく親子教室 児童館一体整備

2018/01/18|カテゴリー:復興釜石新聞 子育て

新築された上中島こども園。同じ敷地に児童館、すくすく親子教室も整備された

新築された上中島こども園。同じ敷地に児童館、すくすく親子教室も整備された

 

 釜石市が、新日鉄住金(本社東京都千代田区、進藤孝生社長)、新日鉄興和不動産(本社東京都港区、永井幹人社長)と進めてきた「市立上中島こども園・市すくすく親子教室・市上中島児童館」の整備工事が完成し、11日に開所式が行われた。老朽化により保育環境の改善が課題となっていた上中島保育所を移転整備したもので、4月からは幼稚園と保育所機能を併せ持つ認定こども園に移行。震災で被災し仮施設で運営していた障害児通所支援事業所「すくすく親子教室」や、上中島児童館と一体で整備することで、利便性に富んだ包括的な保育環境の創出、多様な子育てニーズに応える施設として役割を発揮する。それぞれの施設では9日から運営を開始。真新しい建物に元気な子どもたちの歓声、笑顔が広がっている。

 

開所式では園児が元気いっぱい虎舞を披露した

開所式では園児が元気いっぱい虎舞を披露した

 

 開所式には関係者ら約70人が出席。野田武則市長は「就学前教育の拠点、子育て支援の情報を発信する場になってほしい。保護者ニーズに沿った運営ができるよう取り組みたい」とあいさつした。施設整備などに協力した業者5社に感謝状を贈った。

 

 児童館を利用する子どもたちは元気いっぱいの歌、保育所の年長児らは虎舞を披露して花を添えた。新しい建物をつくってもらった「ありがとう」の気持ちを虎舞で伝えた及川紗良ちゃん(6)は「きれいでうれしい。みんなといっぱい遊びたい」と笑顔を見せた。

 

 3施設は上中島地区の仮設住宅や復興住宅などが建ち並ぶ、新日鉄住金が所有する約5417平方メートルの用地に整備された。いずれも鉄骨造り平屋建て。日本設計の基本計画、日鉄住金テックスエンジの施工で昨年4月に着工し、12月26日にしゅん工した。市が完成後、建築主の新日鉄興和不動産から土地と建物を買い取る形式で、事業費は約8億9千万円。

 

 こども園(延べ床面積約983平方メートル)は0~5歳児までを受け入れ、定員は100人。主な施設は保育室6室、子育て支援室、職員室、給食室などを配置した。高窓を多く設け、園庭に面した廊下をガラス張りにし光が入りやすい園舎に設計。木感と白を基調とした明るく優しい雰囲気の内装や、天井が高い遊戯室などを配し、開放感あふれる空間が完成した。

 

真新しい園舎での生活を楽しむ子どもたち

真新しい園舎での生活を楽しむ子どもたち

 

 親子教室(同約264平方メートル)は、2つの教室、ホール、静養室などで構成。白を基調とした落ち着いた内装に仕上げた。家具のコーナーガードや衝突防止など安全面に配慮し、車いす利用を想定し廊下の幅を広くとるなど使い勝手を考慮。こども園と同一の建屋にすることで倉庫や職員室など必要な機能の一部を共有化し、コンパクトで合理的な施設になっている。

 

 児童館(同336平方メートル)は、遊戯室、創作活動室、集会室、職員室などを配した。集会室は天井が高く、屋内運動場としても利用。隣接する部屋の壁を可動式にし、一体的に利用することで地域のイベントなどにも活用できるようにした。

 

 上中島保育所は1975年に開所。受け入れの対象年齢を広げた2003年度以降、保育室が不足し保育環境の改善が課題になっていた。大町の青葉ビルにあった親子教室は震災で被災し旧小川幼稚園内で仮運営しており、新たな開設場所を検討。老朽化している児童館の改築整備についても懸案となっていた。

 

 同保育所の佐々木絵美所長は「利用者に不便をかけたが、やっと広くて明るい温かい保育環境が整った。子育て環境は変化するが、子どもたちの健やかな成長を見守る施設としての役割を認識し、地域の期待に応えられるよう、職員の専門性、技術を向上させたい」と意欲を示した。

 

 親子教室の三浦薫施設長は「子どもが楽しく、充実した時間が持てるよう、気を引き締めて療育活動をしたい」と思いを強め、児童館の太田忠館長は「地域との交流を深めながらコミュニティーづくりにつながる活動もしたい」と展望した。

 

(復興釜石新聞 2018年1月13日発行 第655号より)

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