鉄とともに160年、「ものづくり魂」心に刻む〜近代製鉄発祥記念フォーラム、先人の功績に思いはせ

2018/02/20|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

釜石の未来への提言を行ったゲスト

釜石の未来への提言を行ったゲスト

 

 近代製鉄発祥160周年記念フォーラム~鉄とともに!!~(釜石市、市教委主催)は10日、市民ホール「TETTO」で開かれた。1857(安政4)年、盛岡藩士大島高任が釜石の大橋で洋式高炉による初出銑に成功してから160年。フォーラムには約600人が参加し、産業国家・日本の礎を築いた先人たちの功績に思いをはせ、今に受け継がれる「ものづくりの魂」を心に深く刻んだ。

 

 「鉄のまち釜石から世界へ」と題した記念対談には、橋野鉄鉱山の世界遺産登録に大きく貢献した内閣官房参与の加藤康子さん、釜石の震災復興を支えてきた国連人口基金東京事務所長の佐藤摩利子さん、元新日鉄釜石製鉄所長で釜石応援ふるさと大使を務める猪瀬迪夫さんがゲストに招かれた。

 

 加藤さんは、世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つ「橋野鉄鉱山」が世界でも類を見ない保存状況で、その価値が高く評価されていることを紹介。釜石出身の高橋亦助らが49回目にして連続出銑に成功した偉業も評価のポイントとし、「そのDNAは釜石の『不撓(とう)不屈の精神』として継承され、震災復興でも発揮されている」とたたえた。また、鉄の歴史を学ぶ釜石の子どもたちについて「世界の鉄のまちと交流しながら知識を共有し、ものづくりのスピリットを発信してはどうか」と提案した。

 

 猪瀬さんは、高任が残した「小さく生んで大きく育てる」という言葉に着目。釜石における地方創生を実現するためには市と地元産業界の連携が不可欠とし、「1人でも多くの市民に実践者になってもらうことが大事。海洋エネルギー開発やバイオマス事業の拡大などは未来を開く可能性を感じる」と期待した。ラグビーW杯を好機としたラグビータウン構想にも言及し、広域連携による取り組みをアドバイスした。

 

 佐藤さんは、市民に近い立場で復興支援活動に携わった経験から、釜石の住民力の大きさを実感。「今後さらに外部から人を呼び込むには、人を引きつけるものが必要。市民が誇りに思っていることを強く発信するための戦略が重要となる。心のインフラも整え、まちの魅力醸成を」と呼び掛けた。

 

「なんでだろう〜」の踊りで子どもたちと共演する「テツandトモ」

「なんでだろう〜」の踊りで子どもたちと共演する「テツandトモ」

 

 「鉄のふるさと宣言」で釜石人の誇りを発信する白山小の6年生

「鉄のふるさと宣言」で釜石人の誇りを発信する白山小の6年生

 

 フォーラムでは人気お笑いコンビ「テツandトモ」のスペシャルライブや釜石の特産品が当たる抽選会もあり、大いに盛り上がった。最後は、白山小の6年生6人が「鉄のふるさと宣言」を朗読。160年の歴史を未来のまちづくりに生かしていくことを参加者と共に誓い合った。

 

(復興釜石新聞 2018年2月14日発行 第664号より)

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